さまざまな大切なもの-複製画の修復-
2024/12/03
当工房にやってきた初めてのご依頼でした。
北海道からとどけられた複製画の修復。
紙に印刷された複製画が、木枠張りのキャンバスに貼られている構造だが、紙とキャンバスが剥がれて画面が水膨れ状に変形している部分が見られる。
そして、茶色い画面汚れ。額縁に隠れていた部分との色彩の違いがどれだけ汚れているかの指標になる。
■洗浄テスト:紙への印刷インク層・コーティング層を傷めないように汚れだけを洗浄するには? いつもの油彩画の画面洗浄とはまたちがう緊張感。
修復後
30年前にご依頼者様のおじいさまのお宅にずっとかかっていたこの複製画。その後、ずっと物置にしまわれていたとのこと。
ご依頼者様もご存じのとおり、複製画は複製でありオリジナル油彩画ではない。
そして、複製であるがゆえに複数枚存在するだろう。
ただ、ご依頼者様が当工房にこの複製画の修復を依頼をくださったのは、「これ」そのものが、大切な人・場所・想い出を、温かく、ふわりと思いおこさせるからなのだろう。
そんな作品の修復に携われたことに嬉しさを感じる。
さらに、納品後、ご依頼者様が送ってくださった写真とメッセージ!
「さっそく、家の壁に掛けて、眺めてみましたが、良いものです。」
ありがとうございました!