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額縁の修復処置

額縁の状態・素材を詳しく調査し、より良い状態で保存・鑑賞されるよう適した修復処置内容をご提案いたします。

額縁も損傷を修復することで、経年の風合いを残し再利用することが可能になります。
その場合も、表面上の傷を修復する(美観の回復)ことに加えて、構造上の問題(角の開き、地塗り層の劣化等)も改善することが大切です。
古い額縁が「油彩画を守る役割」をしっかりとはたせるように、必要な機能を整えるご提案をいたします。​

額縁カルテの作成

額縁カルテの作成
額縁の構成素材・損傷状況を調査し、写真撮影と共に記録します。

洗浄

洗浄
額縁の汚れを適した溶剤で洗浄します。
特に金箔の汚れは溶剤の選択に注意が必要です。

額縁木部・地塗り層・彩色層の補強

額縁木部・地塗り層・彩色層の補強
額縁木部・地塗り層・彩色層に欠損がある場合には、適した補強材を浸透させ周辺部の補強を行います。

欠損部分の充填・整形

欠損部分の充填・整形
石膏や胡粉で作られた装飾部分の欠損部分の再生整形を行います。
残された装飾部分を参考にし、可能な限りオリジナルに近い形状に再生します。

充填部分の補彩・箔はり

充填部分の補彩・箔はり
充填整形した部分をオリジナルに近い色に補彩・箔貼を施します。​
 
充填部分の補彩・箔はり
箔の貼り直しが必要な場合は、オリジナルの箔色に出来る限り近い箔を貼りなおします。

古色仕上げ

古色仕上げ
補彩・箔貼を行った後、経年の風合いに近づけるため古色仕上げを行います。
 
修復前
修復前
修復後
修復後

画面保護アクリル・裏板の設置

作品保存環境・鑑賞環境に応じて、画面保護アクリル・裏板の設置をお勧めいたします。
ご要望に合わせ、画面保護アクリル(低反射・紫外線カット)、裏板を設置し、油彩画作品のより良い保存・鑑賞に適した額縁にいたします。

吊り金具・吊り紐の交換

古くなった吊り金具・吊り紐の交換を行います。
 
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